【Mrs. GREEN APPLE 10 YEARS SPECIAL】
— NHK MUSIC (@nhk_musicjp) May 4, 2025
いよいよ明日🔥
披露する楽曲は…
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大ヒット曲はもちろんレア曲も!
ぜひ最後までご覧ください✨️
📺5/5(月)22:00~ NHK総合#MrsGREENAPPLE #ミセスhttps://t.co/goflZEViiC pic.twitter.com/Liy6YP6BfB
Mrs. GREEN APPLEのデビュー曲、あなたはどの曲を思い浮かべますか?
公式なメジャーデビュー曲「StaRt」のほか、初のシングル「Speaking」やインディーズ時代の「我逢人」など、”始まりの歌”が複数あり戸惑う方も多いでしょう。
この記事では3つのデビュー曲の謎を解き明かし、それぞれの歌詞に込められた哲学、そしてなぜ「StaRt」が今もライブ定番曲なのかを解説。
バンドの原点「フェーズ1」の物語を知れば、ミセスの音楽がもっと深く楽しめます。
- なぜデビュー曲が3つ存在するのかが分かる
- 公式デビュー曲「StaRt」の歌詞に込められた意味
- 「Speaking」がデビュー曲と間違われる理由
- デビュー曲とバンドの歴史「フェーズ1」との繋がり
デビュー曲の謎を解明!3つの「始まりの歌」
- デビュー曲の謎を解明!3つの「始まりの歌」
- 歌詞に込めた「いつでもスタート」という哲学
- なぜ「StaRt」は今もライブ定番曲なのか?
- デビュー盤『Variety』が示したバンドの多様性
デビュー曲の謎を解明!3つの「始まりの歌」
-我逢人-
— 大森元貴 / Motoki Ohmori (@MotokiOhmoriMGA) January 4, 2024
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Mrs. GREEN APPLEのデビュー曲が一つの曲に定まらない理由は、バンドが2015年という1年間で、インディーズとメジャーの両方で目覚ましい活動を展開したことに起因します。
この背景を理解する鍵は、「3つのデビュー」を時系列で整理することです。
第一に、バンドが全国のリスナーに広く知られるきっかけとなったのは、2015年2月18日にリリースされたインディーズミニアルバム『Progressive』です。この作品のリード曲である「我逢人」が、彼らの「インディーズデビュー曲」と位置づけられます。
次に、同年7月8日、ミニアルバム『Variety』でメジャーデビューを果たします。このアルバムのリード曲こそが、公式な「メジャーデビュー曲」である「StaRt」です。バンドの新たな門出を象ARuFaす、まさに始まりを告げる一曲です。
そして、多くの人がデビュー曲として記憶しているもう一つの楽曲が、同年12月16日にリリースされた「Speaking」です。これは彼らにとって初の「メジャー1stシングル」であり、人気アニメのタイアップが付いたことで、より幅広い層にバンドの存在を浸透させる大きなきっかけとなりました。
このように、短期間に性格の異なる3つの重要なリリースがあったため、どの楽曲を「デビュー曲」と捉えるかによって少しずつ答えが変わるのです。このデビューイヤーの活動自体が、当時の彼らの勢いを物語っています。
デビューの種類 | 時期 | 作品名 | 代表曲 | 備考 |
インディーズデビュー | 2015年2月 | ミニアルバム『Progressive』 | 我逢人 | バンド初の全国流通盤 |
メジャーデビュー | 2015年7月 | ミニアルバム『Variety』 | StaRt | 正式なメジャーデビュー作品とそのリード曲 |
メジャー1stシングル | 2015年12月 | シングル『Speaking』 | Speaking | 初のシングルCD作品で、初のアニメタイアップ |
歌詞に込めた「いつでもスタート」という哲学
公式なメジャーデビュー曲である「StaRt」は、単に活動の始まりを告げる歌ではありません。そこには、バンドの活動の核となる深い哲学が込められています。作詞作曲を手掛けた大森元貴さんが、当時まだ10代であったことを踏まえると、その歌詞の持つ普遍性には驚かされます。
この楽曲の核心は、サビで高らかに歌われる「いつでもスタートで居よう」というフレーズにあります。これは、成功や経験に慣れてしまうことなく、常に物事を始めた時の新鮮な気持ち、すなわち「初心」を忘れずに進んでいこうという強い意志の表明です。
さらに、「幸せな時間をどれだけ過ごせるかは 微々たるものでも愛に気づけるかさ」という一節は、日常に潜む小さな幸せや愛情を見つける感受性の重要性を説いています。
この哲学は、メジャーという大きな舞台へ第一歩を踏み出した彼ら自身の決意表明そのものでした。これから待ち受けるであろう様々な出来事に対して、驕ることなく、感謝の気持ちを忘れずに活動していきたいという真摯な姿勢が凝縮されています。
この「いつでもスタート地点に戻れる」という考え方は、後にバンドが大きな変化を迎える際にも、重要な精神的支柱となりました。
なぜ「StaRt」は今もライブ定番曲なのか?
「StaRt」がリリースから長い年月を経た今でも、ライブに欠かせない楽曲として愛され続けているのには明確な理由があります。それは、この曲が持つ圧倒的な多幸感と、会場のオーディエンスを瞬時に一つにする力にあります。
音楽的に見ると、「StaRt」はイントロから鳴り響くきらびやかなサウンドと、弾むようなリズムが特徴の、抜群にポップでキャッチーな楽曲です。自然と体が動き、手拍子をしたくなるようなアレンジは、聴く人すべてをポジティブな気持ちにさせ、ライブという空間でその魅力が最大限に増幅されます。
そして、この曲の最も重要な要素は、歌詞が持つ普遍的なメッセージです。「いつでもスタートで居よう」というポジティブな呼びかけは、ライブという非日常の空間で、観客一人ひとりの背中を優しく、そして力強く押してくれます。イントロが流れた瞬間に会場全体に広がる一体感とシンガロングは、Mrs. GREEN APPLEのライブを象徴する光景の一つです。
バンドとファンが「始まりの気持ち」を共有し、何度でも新しいスタートを確認し合うための、大切な儀式のような役割を担っているのです。
デビュー盤『Variety』が示したバンドの多様性
メジャーデビュー曲「StaRt」を収録したミニアルバム『Variety』は、そのタイトル通り、Mrs. GREEN APPLEというバンドがデビュー当初から持っていた「多様性」を世に知らしめた作品です。彼らが単なるポップバンドという枠に収まらないことを、最初の名刺代わりの一枚で明確に宣言しました。
アルバムは、光り輝くようなポップナンバー「StaRt」で幕を開けますが、聴き進めると次々と異なる表情を持つ楽曲群が現れます。例えば、スリリングなバンドサウンドが疾走する「リスキーゲーム」や、シニカルな視点が光る「VIP」といった初期衝動に満ちたロックナンバーは、彼らの持つ鋭利な一面を覗かせます。
一方で、軽快なビートの中に切なさを感じさせる「L.P」や、独自の人生観を歌った「道徳と皿」といった楽曲は、ソングライターである大森元貴さんの非凡な才能の奥行きを感じさせます。このアルバム一枚で、彼らが明るいポップスから攻撃的なロック、そして内省的な楽曲までを自在に行き来できることを証明しました。
『Variety』は、これから彼らが繰り広げる壮大な音楽の旅の、いわば予告編のような作品だったと言えるでしょう。
もう一つのデビュー曲?「Speaking」とバンドの原点
- なぜ「Speaking」がデビュー曲と間違われるのか
- 歌詞が描く「話すこと」の重要性と孤独
- インディーズの原点「我逢人」との繋がり
- ミセス結成秘話とデビュー当時のエピソード
- デビュー曲が持つ「フェーズ1」完結への意味
なぜ「Speaking」がデビュー曲と間違われるのか
「StaRt」が公式なメジャーデビュー曲であるにもかかわらず、「Speaking」がデビュー曲として広く認識されている背景には、明確な理由が存在します。
その最大の要因は、この楽曲がバンドにとって「メジャー初のCDシングル」であり、非常に影響力の大きい「タイアップ」を獲得したことです。
「Speaking」は2015年12月にリリースされ、当時放送されていた人気テレビアニメ『遊☆戯☆王ARC-V』のエンディングテーマに起用されました。
普段から熱心に音楽を聴く層以外にとって、テレビから繰り返し流れてくるキャッチーな楽曲は、アーティストとの最初の出会いになることが少なくありません。そのため、Mrs. GREEN APPLEというバンドを「Speaking」で初めて知ったという人々が非常に多かったのです。
この現象は、メディアタイアップが持つ影響力の大きさを示しています。
アルバムのリード曲である「StaRt」が、主に音楽ファンや業界関係者に向けた「デビューの所信表明」であったとすれば、「Speaking」は、アニメという媒体を通して、より広範な一般層へ届けられた「バンドの名刺」代わりの一曲となりました。個人の体験として強く記憶に残っている曲が、その人にとっての「デビュー曲」として認識されるのは、ごく自然なことなのです。
歌詞が描く「話すこと」の重要性と孤独
「Speaking」という楽曲タイトルが示す通り、この歌はコミュニケーションの根源的な重要性と、それが欠如することで生まれる現代的な孤独をテーマにしています。
歌詞は「ねえ聞かせて 君の好きな歌はなに?」という、相手の心に寄り添おうとするパーソナルな問いかけから始まります。曲全体を通して、本当の気持ちを心に押し殺し、孤独を抱える「君」に対し、「僕には話してよ」と繰り返し呼びかけます。
特に「本能のbluesを隠さずに叫んでみてよ」というフレーズは、心の奥底に秘めた憂鬱な感情を解放してほしいという、切実な願いが込められています。
さらに、「指先で飛ばすメッセージは一体誰の何に届いてるの?」という一節は、SNSなど表面的な繋がりが主流となった現代社会における、コミュニケーションの希薄さへの鋭い問題提起です。心が通わないやり取りは、むしろ孤独感を増幅させかねません。
大森元貴さんは当時から、現代人が抱える本質的な寂しさを見抜き、その処方箋として「直接話すこと」、つまり真の対話の重要性を歌っていたのです。これは、彼らの音楽が一貫して持ち続ける、人間への深い洞察の原点と言えるでしょう。
インディーズの原点「我逢人」との繋がり
「StaRt」と「Speaking」。メジャーデビュー期を代表するこの2曲を深く理解するためには、さらにその根源にあるインディーズ時代の楽曲「我逢人」に触れることが不可欠です。
これら3つの始まりの歌は、実は一つの大きなテーマで結ばれています。
「我逢人(がほうじん)」とは、「人と我(われ)は逢うなり」という禅の言葉に由来します。その意味は、「人生における全ての出来事は人との出会いから始まる。だからこそ、その出会いを大切にすべきだ」という教えです。
ミセスはこの言葉をタイトルに冠し、インディーズ盤『Progressive』の一曲目で、人と人との繋がりの尊さを歌い上げました。
この3曲の関係性を整理すると、彼らがデビュー当初から持っていた哲学が見えてきます。
- 「我逢人」: 人生の基本は人との出会いであるという【土台】
- 「StaRt」: その出会いに対し、常に新鮮な気持ちで向き合おうという【心構え】
- 「Speaking」: その出会いにおいて、本音で語り合うことで深い繋がりを築こうという【行動】
このように、3曲は「出会い・心構え・行動」という、人間関係を築く上での普遍的なプロセスを描いています。
デビューというキャリアの出発点において、これほど一貫した人間観を提示していたことは、彼らの音楽が持つ深みの源泉と言えるでしょう。
ミセス結成秘話とデビュー当時のエピソード
Mrs. GREEN APPLEの物語は、フロントマンである大森元貴さんの、音楽に対する揺るぎない意志から始まります。小学生の頃から楽曲制作を始め、音楽で生きていくことを決意した彼は、高校時代にバンド結成へと本格的に動き出しました。
最初にメンバーとして声をかけたのは、中学校の同級生であったギターの若井滉斗さんでした。当初、大森さんは若井さんのことを好意的に見ていなかったと語っていますが、音楽という共通言語を通じて互いの才能を認め合い、固い信頼関係を築きました。
メンバーを集める上で、大森さんが最も重視したのは、演奏技術以上に「人柄」や「価値観が合うこと」でした。キーボードの藤澤涼架さんを勧誘した際、彼の演奏を聴く前にメンバー入りを決めたというエピソードは特に有名です。彼はバンドを単なる音楽集団ではなく、苦楽を共にできる「家族」のような共同体として構想していました。
この大森さんのプロデューサー的な視点が、ミセスの持つ独特の一体感の源泉となっています。この強固な信頼関係があったからこそ、彼らはデビュー当初の怒涛のスケジュールを乗り越え、快進撃を続けることができたのです。
デビュー曲が持つ「フェーズ1」完結への意味
「StaRt」や「Speaking」で幕を開けたMrs. GREEN APPLEの物語は、2020年7月8日の「フェーズ1完結」宣言をもって、一つの区切りを迎えました。デビューから5年間、5人体制で駆け抜けたこの期間は、彼らの第一章と言えます。
デビュー曲に込められた「いつでもスタートで居よう」という哲学や、「話すこと」で生まれる繋がりを大切にする姿勢は、まさに「フェーズ1」の活動そのものを象徴していました。彼らは常に初心を忘れず、ファンとの対話を大切にしながら、驚異的なスピードで成長を遂げていきました。
しかし、活動休止期間中の2021年12月30日、ドラムスの山中綾華さんとベースの髙野清宗さんの脱退が発表され、「フェーズ1」の5人の物語は終わりを告げます。
そして2022年3月、大森さん、若井さん、藤澤さんの3人体制で「フェーズ2」が開幕しました。この再始動は、デビュー曲「StaRt」の哲学が、時を経て現実のものとなった瞬間でもありました。彼らは文字通り「スタートに戻り」、新しいMrs. GREEN APPLEを始めたのです。
デビュー曲群は単なる過去のヒット曲ではなく、バンドの未来を予見していた重要な道標だったと言えるでしょう。
総括:ミセスのメジャーデビュー曲「StaRt」の真実
- ミセスのデビュー曲は複雑で3つの解釈が存在する
- 公式なメジャーデビュー曲はミニアルバム『Variety』収録の「StaRt」である
- メジャー初のシングル「Speaking」もデビュー曲として広く認識されている
- 「Speaking」が有名なのは人気アニメ『遊☆戯☆王ARC-V』のタイアップが理由
- インディーズデビュー曲は『Progressive』収録の「我逢人」
- 2015年という1年間に3つの重要なデビューがあったことが混乱の要因
- 「StaRt」の歌詞は「いつでも初心を忘れない」というバンドの哲学を歌う
- 「Speaking」の歌詞は現代の孤独と対話の重要性を描いている
- 「我逢人」は禅の言葉で「出会いの大切さ」がテーマ
- 「我逢人」「StaRt」「Speaking」は出会い・心構え・行動という一つの物語を形成する
- バンド結成時、大森元貴さんは技術より「人柄」を重視した
- デビュー当時のメンバーは5人体制で、これが「フェーズ1」と呼ばれる
- 「StaRt」の哲学は後の「フェーズ2」での再始動を予見していた
- デビュー曲群はバンドの原点であり、その後の全ての物語の礎となっている
- ミセスの「始まり」を理解することで彼らの音楽をより深く味わうことができる